やねの日記

日々の出来事や思ったことを綴るブログです。

白夜行を読みました

久しぶりに投稿します。

東野圭吾白夜行を何度も読み返している、という人の話を聞いて、どうにも気になって仕方なくなり、すぐに買って読みました。

私は中学生の頃まではよく本を読む方だったと思うのですが、高校生以降はめっきり読まなくなってしまい、今では年に2冊ほどしか読まなくなりました。そんな自分が850ページほどもある小説を果たして読破出来るのか、少し不安を持ちつつも衝動のままに読み始めました。結果、2週間で読み切れてしまいました。ネタバレなしの感想を記述すると、とにかく無駄なく、そしてシーンを想像するのに必要な部分はしっかりと、文章が書かれていると感じました。だからこそあまり疲れを感じることなく、ずっと読んでいることが出来ました。20年以上も昔の作品ですが、読んだことがない方も、是非読んでみて欲しいと勧められる作品です。

以下、自分の感想メモに書き留めた、ネタバレありの感想を載せます。

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読み終わった時には全身に鳥肌が立った。気温のせいなのか、これを読んだからなのか分からないが、とにかく寒かった。
極め付けは最後の最後、なぜこの少年と少女が犯罪を始めてしまったのか、ということが判明したところだ。これまで極悪人として見てきた2人の見方ががらっと変わるようだった。解説にもあったように、この2人が特別悪い性質を持った人間だったということではなく、誰でも犯罪者になり得ない状況だと感じて震えた。
読み進めている間はこの2人の巧みな犯行に目を見張っていたが、最後にこれらの犯行の背景を知った瞬間、自分が観客席から舞台に引っ張り上げられたような気分に陥った。何度も同じことを述べるようになるが、まさかこんな人はいないという気持ちで他人事として見ていたものが、他人事では済まされないという実感を帯びるようになった。
読了した今、20年もの間2人が歩んできた冷たく暗い道を想像する。2人で協力し、なんとかその暗い道にあかりを灯そうとしたことを想像する。必死で夜の道を照らしても、昼間が訪れることはなかった。そして2人の努力も虚しく、桐原はその一生を終えた。唯一の光だった少年を喪った雪穂は白い影のようであったという。それは光を失ったことで形を保てなくなった彼女の姿だったのだろうか、と想像した。
まだ鳥肌が立っている。